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2025.12.11

「ケアプランデータ連携システム」の導入が介護職員処遇改善の新要件に

介護職員処遇改善の新要件として「ケアプランデータ連携システム」の導入が位置付けられた。
これは介護現場の生産性向上と職員の負担軽減を目的とした制度的措置である。
 
令和6年度介護報酬改定において、介護職員の処遇改善加算等の一本化が進められ、さらに令和7年度以降の補正予算においては、介護従事者への賃上げ支援が拡充された。
その中で、生産性向上に取り組む事業所への上乗せ支援を受けるための要件として「ケアプランデータ連携システム」の導入が明確に示された。
 
ケアプランデータ連携システムは、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所の間で毎月やり取りされるサービス提供票(予定・実績)を標準仕様に基づき電子的に連携する仕組みである。
これにより、事業所間の文書作成負担が大幅に軽減され、業務効率化が期待される。
厚生労働省は令和元年度から調査研究を進め、令和2年度以降に本格的な構築を行い、現在は国民健康保険中央会が運用を担っている。
さらに、令和7年度補正予算においては、介護職員への月額1万円の賃上げ支援に加え、ケアプランデータ連携システムを導入した事業所には月額5千円相当の上乗せ支援が認められることとなった。
これは単なるICT導入促進策ではなく、介護人材確保と職場環境改善を同時に進めるための政策的誘導である。
また、居宅介護支援費(II)においては、ケアプランデータ連携システムと「同等の機能・セキュリティ」を備えた市販システムを導入している場合も算定可能とされている。
したがって、事業所は必ずしも国のシステムに限定されず、要件を満たす民間システムを選択することも可能である。
総じて、処遇改善加算の取得や賃上げ支援の上乗せを受けるためには、ケアプランデータ連携システムの導入が不可欠な要件となった。これは介護現場のICT化を加速させ、介護職員の働きやすさを高めるとともに、介護人材の確保につながる重要な施策である。