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2025.12.1

介護職員の処遇改善策として、最大月額1万9千円の賃上げ

政府は介護職員の処遇改善策として、最大月額1万9千円の賃上げを実施する方針を示した。
物価高騰や人材不足への対応を目的とし、補正予算に1920億円を計上したものである。
 
●政府の決定と背景
政府は2025年11月28日、総合経済対策の一環として今年度補正予算案を閣議決定した。
その中で、介護職員1人あたり最大月額1万9千円の賃上げを支援する施策が盛り込まれた。
介護現場の人材不足と物価上昇による生活費の圧迫が深刻化しており、処遇改善は喫緊の課題とされていた。
 
●賃上げの仕組み
今回の賃上げは「三階建て」の構造で設計されている。
・第一段階(1万円):介護職員だけでなく、居宅介護支援のケアマネジャーや訪問看護師など幅広い介護従事者が対象。
 処遇改善加算を取得していることが要件。
・第二段階(5千円):介護職員のみが対象。生産性向上や業務の協働化に取り組む事業所が支給対象となる。
・第三段階(4千円):事業所の裁量に委ねられる補助金。職員の賃上げに充てることも、職場環境改善に活用することも可能。
これらをすべて活用した場合、介護職員は最大で月額1万9千円の賃上げとなる。
 
●今後の展望
今回の補助金による賃上げは半年分の暫定措置であり、2026年度には臨時の介護報酬改定を行い、恒常的な処遇改善を制度化する方針が示されている。
この改定では処遇改善加算の対象範囲拡大や人員基準欠如減算の緩和も検討されており、介護職員の待遇改善が制度的に裏付けられる見通しである。